みなさんは普段の仕事でクッション言葉を使っていますか?
そもそも、クッション言葉ってご存じでしょうか?
クッション言葉とは、患者さんの対応をするときに、使用できる魔法の言葉です。
クッション言葉を使うことで、患者さんとのコミュニケーション力も格段にアップし、クレームも減少していきます。
正しいクッション言葉を使って、患者さんとの良いコミュニケーションを取って、円滑な受付業務を行いましょう。
クッション言葉とは

医療事務で働いていると、患者さんに何かをお願いしたり、お断りをしたりする場面に遭遇します。
そんなときに、直接的に会話を進めていくと、患者さんに強い印象を与えたり、不快感を与えたりします。
「○○してください。」
「○○をお願いします。」
上記のように、クッション言葉を付けずにお願いすると指示されたような命令されたような印象になります。
クッション言葉とは、このように状況で会話の前に使用することで、患者さんに不快感を与えずに丁寧で優しい印象を与えてくれます。
クッション言葉を使うことで、比較的すんなりと患者さんがこちらの要望に応えてくれます。
患者さんとコミュニケーションを取る上で、クッション言葉は魔法の言葉ですね。
- 患者さんにお願いをする時
- 患者さんにお断りをする時
などには、ぜひクッション言葉を使っていきましょう。
クッション言葉7選

比較的によく使われている「クッション言葉」をご紹介いたします。
まずは基本の言葉を知ることから始めましょう。
◎ 恐れ入りますが
◎ 申し訳ございませんが
◎ 失礼ですが
◎ 差し支えなければ
◎ お手数をおかけしますが
◎ できましたら
◎ もしよろしければ
クッション言葉プラスα

クッション言葉を使うと、患者さんに不快感を与えずに丁寧で優しい印象を与えてくれますが、クッション言葉だけではまだ不十分です。
クッション言葉にあるものをプラスαすることで、患者さんにすんなりとお願いを受け入れてもらいやすくなります。
それは、『クッション言葉 + 疑問形』 です。
「恐れ入りますが、○○してください。」
これにプラスαの疑問形を付けてみましょう。
「恐れ入りますが、○○していただいてもよろしいでしょうか?」
クッション言葉のみの場合は、指示されたような命令されたような印象になります。
しかし、「~でしょうか?」と疑問形を付けた場合は、お願いされた印象になりお願いをすんなり受け入れてもらいやすくなります。
クッション言葉のみだけではなく、『クッション言葉 + 疑問形』を使用しましょう。
【実例】
その1 保険証を出してもらいたいとき

月始めの受診時には、患者さんの保険証確認をしないといけません。
月に1度は保険証を病院に出してもらうのは、医療事務としては当たり前のことですね。
しかし、毎月来院している患者さんや、月末に来院したばかりの患者さんからすると、「また出さないといけないの?!」と思われることもあります。
「また出さないといけないの?」
「この前出したばかりなのに…」
「保険証変わってないのに…」
など言われていたら、こちら側も気分が落ち込みますし、仕事もはかどりません。
患者さんにすんなりと保険証提示してもらえるように「クッション言葉 + 疑問形」を使用していきましょう。
✖ 「保険証をお預かりいたします。」
△ 「恐れ入りますが、保険証をお預かりいたします。」
〇 「恐れ入りますが、保険証をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
◎ 「恐れ入りますが、今月初めてのご来院ですので、保険証をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
さらに理由をプラスαすることで、「なぜ保険証を出さないといけないのか」という理由が明確になり、患者さんにもこちらの意図がより伝わります。
ここまで付け加えて説明することで、
「また出さないといけないの?」
「この前出したばかりなのに…」
「保険証変わってないのに…」
という嫌味を言われないで、スムーズな受付を行うことが出来ます。
その2 問診票を記入してもらう時

初めて来院された患者さんや、久しぶりに来院された患者さんには、問診票の記入をお願いします。
問診票をめんどくさいと感じる患者さんいらっしゃいますので、すんなり記入してもらえるような言い方を覚えていきましょう。
✖ 「問診票の記入をしてください。」
△ 「恐れ入りますが、問診票の記入をしてください。」
〇 「恐れ入りますが、問診票のご記入をお願いしてもよろしいでしょうか?」
◎ 「恐れ入りますが、○○さん、当院が初めてのご受診となりますので、(お久しぶりの受診となりますので)こちらの問診票にご記入いただいてもよろしいでしょうか?」
さらにネームコールと理由をプラスαすることで、患者さん自身に向けてお願いされたことだと認識し、「はいはい、初めてだから(久しぶりだから)記入するのね。」と、すんなり問診票の記入をお願いすることが出来ます。
何かをお願いする時には、ネームコールも大切な技法のひとつですね。
保険証を預かったあとであれば、患者さんの名前が分かっているので、問診票をお願いする際はネームコールをしてみましょう。
その3 問診票に記入漏れがあったとき

記入してもらった問診票に記入漏れがある場合もあります。
こちらに非があるわけではありませんが、記入漏れを指摘する際にもクッション言葉が役立ちます。
ここもぜひ『クッション言葉 + 疑問形』を使用していきましょう。
✖ 「電話番号も記入してください。」
△ 「恐れ入りますが、電話番号も記入してください。」
〇 「恐れ入りますが、電話番号のご記入もお願いしてよろしいでしょうか?」
◎ 「恐れ入りますが、○○さん、電話番号の記入がまだですので、こちらにご記入いただいてもよろしいでしょうか?」
このような場合も、さらにネームコールと理由をプラスαします。
時々、電話番号を覚えていない患者さんや電話を持っていない患者さんもいらっしゃいますので、「記入してください」と断言するような言い方は避けた方がいいでしょう。
その4 お名前を伺いたいとき

受付の前を通って待合室に座った…「あれ?受付したかな?誰?」
待合室に座っている人いるけど…「患者さんの名前が分からない…誰だっけ?」
という時に使えるクッション言葉を覚えていきましょう。
✖ 「お名前を教えてください。」
△ 「失礼ですが、お名前を教えてください。」
〇 「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
◎ 「失礼ですが、受付はお済でしょうか?よろしければ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
毎日数多くの患者さんが来院される医療機関であれば、名前と顔が一致しないこともありますね。
受付せず待合室に座った方は、患者さんの付き添いの方かもしれません。
受付せず待合室に座った方は、初めての来院で受付の仕方が分からなかったのかもしれません。
出来れば、患者さんの名前と顔を覚えておくのが一番ですが、どうしても名前と顔が一致せず、確認したいときは、患者さんの不信感につながらないような声掛けをしましょう。
また、待合室の状況には目を配り、ずっと呼ばれていない患者さんがいないかなどのチェックをすることもおすすめします。
その5 患者さんのお手伝いをしたいとき

医療事務として、車いすの患者さんや介助が必要な患者さんのお手伝いをしたい場面でも、優しさの押し付けになってはいけません。
まずは患者さん自身がお手伝いを必要としているかどうかの確認が必要です。
✖ 「お手伝いします。」
△ 「よろしければ、お手伝いします。」
〇 「よろしければ、お手伝いしましょうか?」
◎ 「何かお手伝いすることはございませんか?よろしければ、お手伝いしましょうか?」
上記のようにお尋ねすることで、お手伝いを希望している患者さんは「ありがとう」「それなら…お願いします」と意思表示をしてくれます。
もしお手伝いを必要としていない場合は、「大丈夫です」と言われるでしょう。
車いすの患者さんでも、自分の事は自分で行いたい患者さんもいますので、必ず上記のようにお尋ねしてからお手伝いをするようにしましょう。
すぐに使えるクッション言葉&プラスα集【まとめ】
その1 保険証を出してもらいたいとき
「恐れ入りますが、今月初めてのご来院ですので、保険証をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
その2 問診票を記入してもらう時
「恐れ入りますが、○○さん、当院が初めてのご受診となりますので、(お久しぶりの受診となりますので)こちらの問診票にご記入いただいてもよろしいでしょうか?」
その3 問診票に記入漏れがあったとき
「恐れ入りますが、○○さん、電話番号の記入がまだですので、こちらにご記入いただいてもよろしいでしょうか?」
その4 お名前を伺いたいとき
「失礼ですが、受付はお済でしょうか?よろしければ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
その5 患者さんのお手伝いをしたいとき
「何かお手伝いすることはございませんか?よろしければ、お手伝いしましょうか?」
まとめ

クッション言葉は魔法の言葉です。
クッション言葉を使うことで、患者さんとのコミュニケーション力も格段にアップし、クレームも減少していきます。
正しいクッション言葉を使って、患者さんとの良いコミュニケーションを取って、円滑な受付業務を行いましょう。
また、クッション言葉は電話対応やスタッフ間のお願い事などにも役立ちます。
しっかりとクッション言葉を覚えて、日々の業務に役立てていきましょう。
すらすらとクッション言葉が出てくるようになれば、患者さんとのコミュニケーションも楽しいものになりますよ。
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