病院の電話って、結構よく鳴りますよね。
突然ですが…『あなたは電話好きですか?』
…家族や友達と電話するのはいいけど…。…病院の電話はね…。
電話が鳴ったら「どうしよう…」、電話に出たけど「どうしたらいいの?」と、電話恐怖症になっていませんか?
ほとんどの病院で電話の置き場所は「受付」にあります。そして、その受付にいる人が「医療事務」です。
医療事務として働いていたら、電話を出るということから逃げれません。
電話対応のやり方をきちんと分かっていたら、徐々に慣れてきて電話恐怖症も必ず克服できます。
では、これから電話対応の基本をお教えいたします。
昨今の電話事情
昨今では、SNSやLINEというツールを使って文字で会話をする機会が増えてきています。
さらに、現在はスマホや携帯が普及し、発信者が分かった電話ばかりを受け取ります。
現在の20代・30代の固定電話保有率は約5%・約19%とかなり少なくなっています。
私が子供の頃は、家に固定電話があって、知らない人からかかってきた電話に出たり、親へ電話を繋いだりしていました。
しかし、現在は「知らない人からかかってきた電話」を取る機会がめっきり少なくなっています。
そんな中、医療事務として働きだした途端に、「誰からかかってきたか分からない電話に出ないといけない」という状況になったとき、不安になるのは当たり前ですね。
これから電話対応の基本ルールやフレーズを分かりやすく説明していきます。
基本が分かり、これを活用することで、あなたはもう病院の電話にひょいひょいと出ることが出来ます。
電話恐怖症は必ず解消できる悩みです。まずは『基本』をしっかり押さえて、どんどん電話に出ていきましょう。
電話出るときの事前準備
何事も事前準備は大切です!運動する前にもストレッチをしないと体壊しますよね。
では、電話対応での事前準備とは何でしょうか。
まずは、電話を出やすい場所に配置しましょう。
例えば、右利きの人は右でペンを持つので電話は左側に置いている方が楽に電話対応が出来ます。
そして、いつ電話がかかってきてもいいように、電話の横にはメモとペンを常備しておきます。
◎ 電話を出やすい位置に配置する
◎ 電話の横にはメモとペンを常備する
これで電話対応の事前準備は万端です。
電話に出るときの心構え
受付で大切になるのは『笑顔』ですね。
では、電話に出るときは?電話の相手の顔を見ることは出来ません。
そこで大切になってくるのは『笑声』です。
『笑声』とは『声から笑顔が想像できるような声』という言葉です。
声のトーンを高くし、聞き取りやすくハキハキと喋り、直接顔が見えない電話越しからでも、声から笑顔が想像できるように意識しましょう。
電話恐怖症の方は、電話に対する不安があると思いますが、電話口の話し声が不安いっぱいであれば、患者さんも不安になります。
笑顔がないと笑声は出ません。あなたの笑顔は人を笑顔にします☺
まずは、電話の相手の顔を見ることは出来ないけど、『笑顔☺口角を上げる☺笑声を意識する』という心構えをもちましょう。
◎ 笑顔☺ ◎ 口角を上げる☺ ◎ 笑声を意識する☺
7つの基本で今日から電話マスター
基本その1 電話が鳴った!出だしの言い方
電話が鳴ったら、まず3コール以内に電話に出る
お電話ありがとうございます。
○○クリニックの受付○○でございます。
◎ ゆっくり ◎ 明るい声 ◎ 病院名+部署+名前を言う
3コール以内に取れず、お待たせしてしまった場合
大変お待たせいたしました。
○○クリニックの受付○○でございます。
電話に出た時は、焦らずにゆっくり落ち着いて電話対応に臨みましょう。
基本その2 相手の名前の確認の仕方
相手が名前を名乗ったら、復唱して確認する
こんにちわ。○○さんですね。
いかがなさいましたか?
相手が苗字しか名乗らなかった場合
恐れ入りますが、○○さん、
フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?
相手が名乗らずに話を始めた場合
話がひと段落した時に名前を確認する
恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
名前が聞きとれなかった場合
恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
◎ クッション言葉を使う ◎ 話がひと段落してから聞く ◎ 疑問形を使う
クッション言葉はとても大切です。
突然「名前教えてください!」と言われると、強く言われたように感じてしまいます。
「クッション言葉」+「疑問形」を使用しましょう。
✖ 「お名前を頂戴してもいいですか?」
このような言い方は正しくありません。「どちら様」「頂戴する」は使用しないようにしましょう。
◎ 「恐れ入りますが、フルネームでお伺いしてもよろしいでしょうか?」
◎ 「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
基本その3 要件を聞く
患者さんの名前が分かったら、次は電話をかけてきた要件を聞くことです。
経験から言っても、患者さんからの電話は、
「予約が必要なのか?」
「今日は開いているのか?」
「こんな症状だが行ってもいいか?」
「今日院長先生は診察してる?」
「何時まで行ったらいい?」
「予約をしたい」
「落とし物ないですか?」などなど…
本当に様々な質問内容の電話がかかってきます。
また、電話の相手は患者さんだけではなく、業者さんからの電話や、院長への勧誘の電話など多岐に渡ります。
今回は患者さんからの電話対応を主に説明していきます。
内容をしっかり聞いて、メモを取り、相手がどのような内容で電話してきたのか…をまとめて、確認のために復唱しましょう。
◎ メモを取る ◎ 内容を理解する ◎ 復唱する
次に電話をつなぐときにも、メモを取ったり、内容を理解してまとめたりすることは大切です。
しっかり聞いて、メモを取りながら話を聞いて、相手の質問を復唱しましょう。
また、自分で答えれる範囲の内容であれば、丁寧にお答えしましょう。
今日は何時まで行ったらいいですか?
本日は、18時まで受付行っております。
ご来院の際は18時までお越しください。
◎ 自分で答えれる内容であれば、丁寧に答えていく ◎ 何度か繰り返す
基本その4 自分で応えられない内容なら保留する
自分では答えられない内容は、一度保留にして、確認するか別の分かる先輩に変わってもらう。
保留する際の言い方
恐れ入りますが、○○に確認いたしますので少々お待ちいただけますでしょうか?
◎ クッション言葉 + 疑問形 を使う ◎ 保留ボタンを押す
受話器を手で押さえるだけでは音漏れしますので、保留の際は保留ボタンを必ず押しましょう。
基本その5 他の人に相手の名前や内容を伝えて電話を変わってもらう
他の人に電話をかわってもらう際にすること
電話口で待たせていることを意識して、メモした名前・内容を簡潔に伝えます。
○○さんから、○○という件でお電話かかってきています。
私には答えれない内容だったので、お電話かわっていただけますか?
あの…電話なんですけど…
なんかよく聞き取れなかったんですけど…
よくわからなくて…
このような電話の引継ぎでは、引き継ぐ人も困ります。
◎ 事前準備~基本その3までが大切!!
◎ メモとペンの準備 ◎ ゆっくり丁寧に ◎ 相手の名前の確認 ◎ 要件の確認
電話対応の時は、「もしかしたら保留にするかもしれない」と思って、必ず誰からどんな内容で電話がかかってきたのかメモを取りましょう。
基本その6 他の人の手が空いていない場合
「自分では電話の内容に答えることが出来ない…」
「電話を変わりたいのにみんな忙しくて誰も変わってもらえる人がいない…」
このような状況の時も焦らずに基本を覚えて電話対応をしていきましょう。
保留にしたが、折り返し電話をしたい時
大変お待たせいたしました。
申し訳ございませんが、○○に確認いたしますので、
こちらから改めてお電話差し上げてもよろしいでしょうか?
保留が長引きそうな時
大変お待たせして申し訳ありません。
確認にお時間がかかりそうなので、
こちらから改めてお電話差し上げてもよろしいでしょうか?
◎ 保留でお待たせしてしまったことのお詫びを言う
◎ 再度こちらから折り返しする旨を伝える
保留は、基本的には30秒までにして、それでも確認できない場合は折り返しの電話をするように伝えましょう。
保留で待たされている時間は、いつもよりも時間が長く感じてしまいます。
保留で待たされた挙句に解答がなかった時、患者さんからのクレームに繋がりかねません。
自分で答えられない内容の電話で、誰も変われる人がいないときは、速やかに折り返しの約束をしましょう。
折り返す旨を伝えたあとに聞くこと
恐れ入りますが、折り返しのお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか?
ご都合の悪いお時間はございますか?
折り返しのお電話は、今おかけいただいている番号でよろしいでしょうか?
○○の確認をしたら、すぐにお電話差し上げてもよろしいでしょうか?
患者さんは外出先から連絡しているかもしれません。必ず電話番号を確認しましょう。
今は都合がいいけど、今からは都合が悪く電話に出れないかもしれません。折り返していい時間も確認しましょう。
◎ 折り返しの電話番号を必ず確認する
◎ 都合のいい時間帯を確認する
基本その7 電話を切るとき
後ほど患者さんが来院する時
では、お気をつけてご来院くださいませ。
お待ちしております。
折り返し電話をする時
一旦失礼いたします。
またご連絡いたします。
電話の切り方
必ず、相手が電話を切るまで受話器を上げて待ちます。電話の基本は「かけてきた側から電話を切る」です。
最後の挨拶をしても、もしかしたら「あっ!あの…」と聞きそびれたことがあり、再度会話が始まる可能性もあります。
電話の受話器から「ツーツーツー」と音が聞こえるまで切らないようにしましょう。
◎ 相手が切るのを確認する ◎ 優しく受話器を置く or 電話機のフックを押して切る
まとめ
電話対応には、基本ルールやフレーズがあります。
電話恐怖症の方は、『どう答えていいか分からない…』から怖いという方が大半だと思います。
電話が鳴ったら「どうしよう…」、電話に出たけど「どうしたらいいの?」と、思わないでいいように、基本フレーズをしっかり覚えていきましょう。
医療事務として働く以上、受付に電話がありますので、電話対応からは避けられません。
最初は緊張するかもしれません。最初は、基本フレーズを電話の近くに貼っておくことをおすすめします。
電話を出て、読んでいるうちに、自分の言葉として染み込んできて、スラスラと言えるようになります。
どうせやらないといけない仕事なのであれば、きちんと電話をマスターして、電話をひょいひょい取れるようになりましょう。
電話対応がきちんと出来ていたら、患者さんが来院した際にも「先ほどはお電話ありがとうございました」と会話のきっかけにもなりますよ。
簡単な7つの基本でお教えしたフレーズをぜひ覚えて、電話恐怖症を克服してくださいね。
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